さ〜そ
斎藤健児 まぐろ土佐船 小学館文庫
「縄船はシケでも絶対逃げん」土佐のマグロ船は、一攫千金を夢見て世界の海を駆け巡る。異国の港に立ち寄りながらマグロの大群を追い求めた海での1770日には、自然と人間の織り成す壮大なドラマがあった。大漁の喜び、沖での孤独、暴風雨との闘い、濃密になる人間関係、そして常に死と隣り合わせの公開の厳しさ・・・・・。海の男たちの優しさ、強さを、三度の航海を経験した遠洋漁船元コック長が躍動感あふれる筆致で描く。
須藤武雄 「鑑識の神様」9人の事件ファイル 二見文庫
体毛・歯・指紋・足跡・筆跡・ポリグラフ・血液・死体・声紋の9ジャンルで日本一を誇る科学捜査の第一人者たちが、それぞれの専門を活かして解明した有名な難事件の謎解きを公開。本書に収録した22の事件捜査は、世界に名だたる日本の科学警察の驚くべきハイレベルを極立たせてくれる。事実はすでに推理小説を超えている。
須藤武雄 科学捜査の現場 講談社+α文庫
犯罪の現場に必ず残っているたtった数ミリの体毛でも、科学的な分析によって犯人を割りだせる。”証拠第一主義”を採る警察捜査で、いまや指紋以上に重要な検査物件になった毛髪。30余年間、3000件を越す鑑定から、その科学性を確立した著者は、どう事件を解決し、どんな犯罪者たちに出会ったのか?「事件」の全貌がいま明らかにされる現場レポート!。
崎山克彦 何もなくて豊かな島 新潮文庫
周りは青い珊瑚礁に白い砂。風の音と海鳥の声が耳に心地よい。ああ、今日も予定は何もなし。椰子の木陰でまたひと眠りだ。セブ島の沖合にある小島・カオハガンと運命的に出会った著者。退職金で島を買い、350人の島民と共に暮らす生活が始まった。最新情報や便利なモノは何一つないが、美しい自然の中でゆったり人生を楽しむ人々。人間の幸福や豊かさとは何かを問いかける本。
椎名誠 わしらは怪しい探検隊 角川文庫
離島でのきつい天幕生活に挑む会「東日本何でもケトばす会」の、結成当時の行状記。椎名隊長ほか隊員たちの個性が光る、前代未聞の面白さ!酒と食料の大移動、テント張り、かまど設置、ゴミの穴ほり、蚊の代襲来等々、夜明とともに雑用と自然との戦いが始まり、美しい夕焼け空が疲れきった一日の終わりを告げる。海と冒険と仲間、椎名文学の三大要素が楽しめる「怪しい探検隊」ものの、記念すべき第一書。
椎名誠 あやしい探検隊 バリ島横恋慕 角川文庫
バリ島には「神の山」があるという。そこに登ればこれまでのすべての悪事がゴハサンになるらしい。このことを聞きつけたあやしい探検隊のおとっつぁんたちは”神の山登山隊”を結成、神秘と微笑みの島、バリに向かったのであった。ポランポラン(のんびり)をテーマに進んでいく行き当たりばったりの旅。神の山アグンの森厳しさにうたれ、ケチャの迫力に洗脳され、女性の美しさを喜び。神は果たして彼らを許してくれたのだろうか?「あやしい探検隊」シリーズ海外編の第二弾!
椎名誠 あやしい探検隊焚火発見伝 小学館文庫
タヌキ汁はなぜうまいのか?猪肉はなぜ牡丹というのか?タケノコの地獄焼きといは何か?古くからなじみの食材をめぐっておなじみの焚火集団が大研究、大満足、大激論。ご存じ椎名隊長率いる”あやしい探検隊”その料理長リン(林政明)さんとともに北は北海道から南は沖縄、果ては海外雄飛モンゴルまで土地土地の食材、焚火料理を求めて東奔西走南船北馬。タヌキ、巨大アンコウ、モンゴル羊、地ジャガ、タケノコ、アブラアゲ、猪、ニンジン、バカ貝と喰らいに喰らったりあの味この味。リンさんの料理実践記、喰らえばわかった座談会と、面白くてためになるとはこの本のことだ。
篠田達明 闘う医魂 小説北里柴三郎 文春文庫
破傷風菌の純粋培養成功、血清療法発明・・・・・医学史に不滅の業績を残した「まみなりおやじ」北里柴三郎。大正三年、すでに功成り名を遂げていた彼を、育て上げてきた伝染病研究所の文部省移管という事態が襲う。決然と所長を辞し、己の道を切り拓いた老医学者の後半生を描く。ほか「正丸峠の帝王切開」を収録。
杉野文栄 「割り箸が脳に刺さったわが子」と「大学病院の態度」 小学館文庫
1999年7月、杉野隼三くん(4)は割り箸がのどに刺さって、救急車で病院に運ばれた。だが、診察は傷口に薬をつけただけだった。必要な検査もされぬまま、翌朝、小さな命の灯は消えた。だが、病院側は責任を認めない。日本を代表する大病院の信じられないような態度、不誠実・・・・・。その日から、両親の闘いは始まった。「もう医療過誤を起こさないで、こんな悲しみを二度と繰りかえさないで」わが子を失った母が訴える。